田中愛幸 氏 (国土地理院)
2005年04月27日
タイトル:「球対称地球モデルを用いた、地震に伴う粘弾性変形の新しい計算手法」
要旨
本講演では、大地震に伴う余効変動を「球対称地球モデル」における
粘性緩和として計算する新しい手法について紹介する。
スマトラ島沖地震など、最近発生している大地震による余効変動は、
空間スケールが大きいため曲率等の効果が誤差を生む。本手法は、
従来の同様のモデルで取り入れることのできなかった、自己重力・
圧縮性・成層構造の効果を取り入れることに世界で初めて成功した。
実例として、2003年十勝沖地震により今後観測され得る粘性緩和を見積もった。
その結果、震源から数百km離れた地点で、余効すべりと明瞭に異なる
地殻変動パターンが検出される可能性があることが分かった。