小澤 一仁 氏(地球惑星科学専攻)
2005.09.28
タイトル:最上部マントルかんらん岩の研究から何がわかるのか?
要旨:アセノスフェアからリソスフェアにおよぶ最上部マントルは、
地球深部と表層のインターフェースであり、グローバルな物質循環
を支配する重要な場である。プレートの拡大境界や収束境界近傍に
おける上部マントルでのマグマの生成および地殻への付加は、地球
内部から表層への物質輸送を担い、収束境界における地殻物質やリ
ソスフェアの沈み込みは、表層から地球内部への物質輸送を担う。
こうした、上部マントルにおける物質輸送過程の理解をめざして行
われてきた、物質科学的研究は、マグマの発生とマントルの流動過
程について多くの知見を与えてきた。本講演では、世界的に見ても
多面的に研究されてきた北海道幌満かんらん岩体や深海性かんらん
岩等、天然かんらん岩の研究から何が明らかになってきたのかを紹
介し、今後の研究の展開について考える。