修士論文中間発表 永井秀憲氏
「Forsterite-Jadeite系における固液共存微細構造の圧力依存性」
2006年9月27日
地球内部の固液共存系の微細構造は流体の連結性などを支配し、流体の移動や集合に
影響を与える。微細構造をあらわす重要なパラメータのひとつに二面角がある。これ
は固体-固体と固体-液体の間の界面エネルギーの比で表される。固体と液体の間の界
面エネルギーは固相と流体相の組成が近いほど小さくなる傾向があるといわれている。
温度や圧力の効果はそれに伴う液組成の効果と解釈できるとされている(e.g. Shimiz
u and Takei, 2003)。これまでになされた地球科学的な系の二面角の測定をまとめて
みると液組成が固体に近いと二面角が小さい傾向が見られる。上部マントルの主要構
成鉱物であるOlivineとH2O fluidやmeltalmelt系の圧力依存性についても調和的であ
る。一方、Olivine-basalt系では逆センスの圧力依存性が見られる。本研究の目的は
Forsterite-Jadeite系を用いて固液共存系微細構造の圧力依存性明らかにすること
である。この系を用いるのはOlivineと共存するメルト組成の圧力依存性がほとんど
ない温度条件があるからである。実験は1atmから2.5GPaの範囲で行い微細構造につい
て調べた。見られた圧力効果の要因について考察をする。