井出 哲 氏 (地球惑星科学専攻)

ゆっくり地震の特徴とスケール法則

2007年5月9日

 2000年ごろから西日本の南海トラフ沿いで深部低周波地震、
 深部低周波微動、超低周波地震、スロースリップなどと
 よばれる現象が次々に発見された。また同様の現象は世界各地で
 観測されている。これらの現象のうち特に四国西部で発生する
 ものに対して我々の研究グループでは地震波の解析から
 以下のことを証明してきた。
 
 ・低周波地震の発生領域はプレート境界に対応する
 ・低周波地震のメカニズムは低角逆断層である
 ・低周波微動は低周波地震の群発活動である
 ・すべての現象は地震モーメントレート一定のスケール法則に従う
 
 現時点でこれらは単一のスケール法則に従うプレート間の
 すべり運動「ゆっくり地震」を異なる時定数で見たものだと理解される。
 これは良く知られている普通の地震とは大きく異なり、背後の物理
 にはわからないことが山積みである。さらなる現象の理解がプレート
 沈み込みと巨大地震発生のメカニズムを考察する上で重要である。