岡田 真介 氏 (地球惑星科学専攻)
北部フォッサマグナから羽越褶曲帯にかけての地下構造とその発達
過程
〜長野盆地西縁断層帯について〜
2007年6月27日
日本列島の中で最も水平短縮の激しい北部フォッサマグナから羽越褶曲帯に
かけての地下構造およびその発達過程を理解することは,短縮変形のテクトニクス
を理解する上で非常に重要である.
北部フォッサマグナから羽越褶曲帯にかけての地下構造は,鮮新世以降では圧縮
を受け,日本海拡大時に形成された正断層が現在では逆断層として再活動して
いるテクトニックインバージョンであると考えられている.しかし,新潟堆積盆
に代表されるように,北部フォッサマグナから羽越褶曲帯においては,中新世
以降に非常に厚い堆積物に覆われており,またそれらが大きな水平短縮によって
変形を受けている.しかし,これらのテクトニクスは完全に理解されたわけでは
ない.
そこで,本研究では,地下構造のイメージングに非常に有効である反射法地震
探査を実施した.測線は,長野盆地西縁断層帯南部の犀川に沿った約4.7 kmで
あり,2005年秋に探査を実施した.さらに地下深部の密度構造も反映している重力
データを得るために,反射法地震探査測線を含む全長22.4 kmの重力測線を設定
し,2006年秋に重力探査を実施した.これらの結果から,長野盆地西縁断層帯の
地下構造を明らかにし,その発達過程およびテクトニクスについて考察する.