東京大学大学院理学系研究科河合研究室は、株式会社ライブ・アース(東京都港区、代表:庄司真史)との共同研究開発により、4次元地震可視化ツール 「shingen」を開発しました。

4次元地震可視化ツール 「shingen」

「shingen(シンゲン)」は、地震の震源データを4次元(緯度、経度、深さ、時間)的に可視化する、マルチデバイス(PC、タブレット、スマートフォンなど)で利用可能なウェブアプリケーションです。本アプリにより、地下の震源構造の直感的な把握が可能になります。

解決する課題: これまで困難だった、推定地下断層面の検証

地震大国日本では、熊本地震など3.11後も活発な地震活動が継続しています。地震にますます注目が集まる中、長年の地表踏査で作成された活断層マップは広く活用されていますが、地下断層面は地質踏査では特定するのが困難であり、地球物理学的手法が必要でした。例えば、人工的に起こした地震波などの断層面での反射波を用いて地下断層面を特定する手法や、地図上での余震分布から本震のすべり面を特定する手法などが知られています。反射波手法では大規模な物理探査が必要であり、地下断層面を特定するのは容易ではありませんでした。

また、地図上での余震分布から本震のすべり面を特定する場合、規模や地質情報を用いて予め余震が発生したと想定される期間を定め、設定した地域で発生した地震情報を使用し、1つの地下断層面を特定しますが、ここで、時間的にどこまで後の地震を余震とするか、どこまでの距離の地震がすべり面の影響によるものであるか、などの条件の設定が難しいという問題がありました。

例えば、本震と思われる地震から特性時間(たとえば、1週間後)までに発生した地震の情報からすべり面を特定した場合と、本震と思われる地震から特性時間の2倍(2週間後)までに発生した地震の情報からすべり面を特定した場合とでは、すべり面の位置が相違する可能性があります。従来は、解析者が、解析に使用する地震情報の時間的・地域的な範囲を決めて、その条件ですべり面を求めていましたが、実際にはどの地震が本当に余震であるのかを判断することは非常に難しく、決めた条件が本当に正しいかどうかの検証は、容易にはできないという問題がありました。また、地震の発生状況によっては、複数のすべり面の影響で地震が発生することもありますが、そのような複数のすべり面が影響しているのか否かを、簡単に検証することも困難でした。

そこで、 ㈱ライブ・アースとの共同研究で、震源データの3次元可視化と可動時間軸の実装により、地下断層面を直感的に把握できる地震の4次元可視化ツール 「shingen」 を開発しました。これにより、地震の位置、規模及び発生日時の情報から、視覚的に地震発生の状況の正確な把握ができると共に、地下の断層面の適切な推定が行えるようになりました。

具体的なツールの一般への提供については、追って発表致します。

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