日本地震学会2012年秋季大会特別シンポジウム
「ブループリント」50周年―地震研究の歩みと今後
1. 趣旨
今年の日本地震学会秋季大会において,10月16日(火)16時―20時に特別シンポジウム『「ブループリント」50周年―地震研究の歩みと今後』が開催される.これは,昨年秋の「特別シンポジウム」に続く,特定の課題に関する討論を主体とする企画であるが,このタイトルを掲げるシンポジウムはこれまで開催されたことがなく,また今後開催されることもおそらくない,今回限りのユニークな企画であろう. ほとんどの学会会員は御存知だと思うが,「ブループリント」は日本における地震予知研究の出発点である.「ブループリント」の正式名称は「地震予知―現状とその推進計画」であり,有志グループ(代表:坪井忠二,和達清夫,萩原尊礼)が1962年に発表した.これに基づいて1965年に予知研究計画が開始し,現在に至っている. 「ブループリント」及びその後の一連の研究・観測事業をどのように評価するかについては様々な意見があるが,日本の地震研究の歴史に「ブループリント」が大きな影響を及ぼしたことは間違いない.昨年の東日本大震災を受けて,今後予知研究を含めて地震に関する研究・観測事業はどうあるべきか,という重要課題が山積しているが,これらの課題について正確な議論をするためには,先ず,「ブループリント」から現時点までの研究の歩みを知っておくべきであると考え,今回の特別シンポジウムの企画を提案した. 今回の特別シンポジウムは,当日現地入りされる参加者を考慮して16時に開始し,20時までの短い時間ではあるが,地震研究の今後を議論する上で有意義な知見を得ることができるであろう.この企画は5月の理事会で承認され,プログラムは現在編成中であり,次回のニュースレターや地震学会HPで出来るだけ早く公表する予定である. また,昨年秋の特別シンポジウムと同様,大会後に「意見集」を出版する予定である.これに掲載する原稿の募集要項も次回ニュースレターで発表する. この特別シンポジウムは,これまでの50年の地震研究から次世代の地震研究への大きな転換点となると考えているので,是非ご参加いただきたい.
2. 日時と場所
- 日時:10月16日(火) 午後4時〜8時
- 場所:函館市民会館大ホール(会場案内)
3. プログラム
16:00-16:10 小山順二 (北海道大学) 開会挨拶 16:10-16:40 津村建四朗 (地震予知総合研究振興会) 「ブループリント」と「地震予知計画」―成果と問題点再考― 16:40-17:10 平田直 (東京大学地震研究所) 地震予知のための観測研究の歩み−阪神・淡路大震災以降 17:10-17:40 ロバート ゲラー(東京大学大学院理学系研究科) 避けて通れない予知研究の総括 17:40-17:55 休憩 17:55-18:25 金森博雄 (カリフォルニア工科大学) ブループリントの目的と将来の方向 18:25-18:45 日野亮太 (東北大学大学院理学研究科) 海陸統合観測網の時代〜青写真と現実〜 18:45-19:05 中谷正生 (東京大学地震研究所) 地震発生物理と前兆現象 19:05-19:20 松浦律子 (地震予知総合研究振興会) 総合討論の課題整理 19:20-19:50 総合討論 19:50-20:00 加藤照之 (東京大学地震研究所) 閉会挨拶
4. 資料
5. 実行委員会
- ロバート ゲラー(委員長、東京大学大学院理学系研究科)
- 井出 哲(東京大学大学院理学系研究科)
- 小原 一成(東京大学地震研究所)
- 津村 建四朗(地震予知総合研究振興会)
- 松浦 律子(地震予知総合研究振興会)
6. 意見論文集(2013.11.12追加)
Last UPDATE 2012/10/19