ダイヤモンドアンビルセル
試料を地球内部相当の高圧下に加圧する装置。世界で最も静的に高圧を発生できる装置であり、地球科学・材料工学などのさまざまな分野で使用されている。
1958年に原型となる装置が、Washington D.C.にあった研究所(National Bureau of Standards)のCharles E.Weirにより発明された。その後、様々な改良を重ね、2008年に廣瀬研ではじめて、地球中心に相当する圧力での実験が可能になった。様々な形状があるが、現在、廣瀬研で用いられているのは、高さ4cm、直径5cmの円筒状の手のひらに乗るような「シンメトリー型」である。横についている4本のネジを締めていくことで、地球深部の圧力 装置の中心に、富士山の頂点を向かい合わせたように、円錐状のダイヤが2つ、設置されている。実験に供される試料は、直径10~150μm、厚み10μm程度で非常に小さい。
高温発生には、レーザーによる加熱法(LH-DAC)、ヒーターによる内熱・外熱加熱法が用いられている。
れきしについては、このレビューが詳しい。
https://pdfs.semanticscholar.org/6dfc/f27ebb7a6f4bcf747630c0274bfeefa7f2f6.pdf
実体顕微鏡
微少な試料を用意したり、DACにセットするための顕微鏡。廣瀬研にいる間で、最も使うことになる装置である。単眼でみる顕微鏡と異なり、両眼で奥行を認識しながら、微細な作業を行うことが出来る。倍率は120倍ほど。
ラマン分光装置
ラマン散乱のシグナルから、ダイヤモンド尖端の印加圧力や、鉱物の同定を行う装置。
レーザー加熱光学系
試料をファイバーレーザーで最大6000度まで加熱する装置。写真手前の冷却フォルダー内にDACを装着し、加熱する。試料の加熱箇所は、放射温度計により温度計測される。
加熱系、観察系、温度計測系で構成されている。
紫外レーザー微細加工光学系
試料や試料をいれる「ガスケット」という部品など、数10~100μmの領域を微細に加工す る装置。紫外レーザーをコンピュータ制御されたx, y, φステージ上の対象にあてることで、対象を整形・穴あけできる。
RFマグネトロンスパッタ装置
ダイヤモンドやサンプル表面に薄膜を作れる装置である。
収束イオンビーム+SEM+EDS
試料の微細加工、電子顕微鏡観察、科学分析を行う装置である。収束イオンビームでは、電圧で加速したGaイオンを対象に当てることで、1μm単位での微細加工ができる。そうして出来た試料の断面について、SEMで組織観察をしたり、EDSで化学種の分布を明らかにしたりしている。主に、融解実験を行った試料に対して分析を行っている。