廣瀬研では、東京工業大学 ELSIの装置を使用して実験することも多い。ここでは、その幾つかを紹介する。
透過型電子顕微鏡
電子線マイクロアナライザ
数μmサイズ~100μmサイズの試料の組織観察、化学分析に用いる。波長分散型X線分析法を使用しているので、SEM-EDSより高い精度での化学分析が可能である。
イオンスライサー
顕微鏡分析前の試料の調整に用いる。
ピストンシリンダー
大容量プレスの一種。DACの数万~数百万倍の試料サイズを数万気圧まで、加圧・加熱す ることが出来る。このピストンシリンダーは、1970年代生まれで、もともと東大鉱物学講座の久城研究室に設置されていた。このピストンシリンダーで生まれた輝かしい成果は非常に多い。現在も現役であり、地殻条件~最上部マントル条件での実験や、DACの試料調製に使われている。
電気炉(常圧雰囲気炉)
試料や部品を、1000°Cを超える高温下で加熱できる装置である。
ブリリュアン散乱測定用光学系
高圧その場で、透明・半透明鉱物の弾性波速度を測定できる光学系である。この装置により得られた実験中の試料の弾性波速度を地球内部の地震波速度と比べることで、地球深部の議論が可能になる。
液化型気体充填装置
ダイヤモンドアンビルセル中に気体を充填できる装置である。Heコンプレッサーで最大 約-260°C(-15 K)まで冷却しガスを液化、その液体中にセルを漬け込み、液体中で加圧をすることでセル中に気体を閉じ込めることが出来る。主に、Fe-H系の研究に使用されており、23 K以下では液体水素を観察できる。