測地学サマースクール2014で、学生さんたちに測ってもらった結果を紹介します。
GNSS(GPS)アンテナを設置して地面の動きを人工衛星から測ってみよう。写真中央は地震研の青木先生。合計2地点で測定。研修施設の一角で重力も測りました。小型の重力計(高精度なバネ秤)を利用。果たして重力値は変わるのでしょうか?
結果は…
まずGNSS。赤の曲線が地点1の高さの実測値。
約12時間周期の30 cmほどの変化が見られます。この変化は理論的に予測できます。月や太陽の引力によるマントルやコアも含む地球全体の変形を見積もって、実測値から引き算した結果が青の線。周期変動はほぼ消えています。(解析:地震研福田先生)
続いて地点2の高さ。地点1より前の時間帯ですが、やはり30 cmくらいの振幅で変化しています。
重力の測定結果。
ここで、重力値と高さの変化を比較してみましょう。地点2の高さ変化と比べると、ピーク時刻(3時頃)が一致し、上下逆向きに変化していることが分かります。さらに、重力値の次のピークが9時ごろと予測されていますが、この時刻には、GNSSで測った高さが最も低くなっています(一番上の図の赤線の左下)。
以上から、月や太陽の引力の影響を測り、理論とほぼ一致することが確かめられました!
悪天候の中、測定をよくがんばりました!測地学サマースクールでは、毎年「測る」実習を行っています。参加してみたい方はぜひ測地学会ホームページをご覧ください。