前人未到の発生前切迫度評価研究手法

本研究では、掘削時孔内検層・計測、掘削泥水漏洩観測、掘削コア試料非弾性ひずみ回復(ASR)測定、3次元鉛直地震探査、
および断層試料の摩擦実験に基づいて、以下のように地震・津波発生切迫度を定量します。

1. 遠・近・直接観測統合
2. 孔内検層・掘削試料研究統合
3. 時系列観測


遠・近・直接観測統合

3次元鉛直地震探査法(vertical seismic profiling; VSP)による周回観測を行い、遠・近・直接観測による断層微細構造を把握し、応力・間隙水圧を間接推定します。

応力・間隙水圧変化モデル → 周回観測 → モデル改良 → 切迫度評価

 

 

 

3次元鉛直地震探査法の概念


掘削孔周回3次元VSP探査と取得される
データのイメージ
(上:掘削孔周回エアガン発振、
下:VSPの結果得られるイメージ)

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孔内検層・掘削試料研究統合

超深度掘削孔内検層・掘削試料分析により、応力・間隙水圧・断層強度を直接測定します。

摩擦係数・応力・間隙水圧変化モデル → 観測・実験・分析 → モデル改良 → 切迫度評価

これまでの世界初の研究成果(海底下約3,000m+まで)

・深度増加に伴う含水粘土鉱物の脱水による現象と間隙率低下

間隙水圧上昇

応力と摩擦強度に関するデータの蓄積

これからの研究実施により予想される成果

・深度増加に伴う含水粘土鉱物の脱水による現象と間隙率低下

・(断層作用剪断応力/断層強度)比(=切迫度)の深度変化

 

 

 

これまで

これから


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時系列観測

時系列観測により、応力・間隙水圧変動(切迫度の変化)を検出します。

予測総合モデル → 装置設置
→ 連続モニタリング+繰り返し探査 → 切迫度変化観測

制御震源(エアガン)と孔内・海底地震計による繰り返し探査

・震源域の地震波伝達特性(→応力・間隙水圧)の空間的変化
(深さ方向・沈み込み方向)と、その経時変化を観測します。

孔内・海底観測点による連続モニタリング

・プレート境界域のすべり現象(地震・ゆっくりすべり地震)を把握します。

地震発生条件と現在の状態・推移(=切迫度)の評価

 

 

 

 

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